2012年11月02日

フォレストーリー視察報告その② フィリピンにおける森林の現状と森林政策

こんにちは!秋晴れが気持ちいいですね~!

 

視察報告第2回目は、フィリピンにおける森林の現状と森林政策についてお伝えしていきます

 

3000万ヘクタールの国土を持つフィリピンは、1934年に1700万ヘクタール、第二次世界大戦終了時点では1570万ヘクタールと国土の半分以上が森林で覆われていましたが、1960年代に始まった商業ベースでの大規模な森林伐採、鉱業開発、伐採跡地での焼畑農業を背景に、1990年には国土のわずか21.9%である657万ヘクタールにまで減少してしまいました。(参考:環境省Forest Partnership Platform HP)

 

森林資源の減少だけではなく、土壌流失や水源涵養能力低下による土砂崩れ、洪水、干ばつといった自然災害や水不足を引き起こし、特に毎年平均20個の台風/暴風雨の上陸や接近などにより、大規模な洪水被害も発生しています。

 

日本のニュースでも、フィリピンの台風の被害が取り上げられているのを毎年目にします。森林は土砂災害や水害を防止する公益的機能を持っており、森林の減少は災害被害の拡大につながる恐れがあります。 →続きを読む

 

フィリピンでは、1990年前半までの国家によるトップダウン型の森林管理体制は終わり、1995 年に国家戦略制定されたCBFM(住民参加型森林管理/Community-Based Forestry Management により、「コミュニティ」による地域森林管理が推進されるようになりました。

 

ここで言う「コミュニティ」とは、主に天然資源に依存して生計を立てている住民や先住民が林野利用者グループとして組織された住民組織(PO/People's Organization)を指しています。

 

写真はマンガタレムのコミュニティの人々です。

 

small_gathering.JPG nursery_establishment_Mangatarem_Pangasinan.jpg

 

POは環境天然資源省(DENR/ Department of Environment and Natural Resourcesの所管する森林を25年間、無償で借り受け、森林の経営を行うことができ、これに対してDENRや地方政府は資金的・技術的・制度的支援を行うという体制になっていますが、DENRの予算・人員不足から定期的なモニタリングが行われておらず、森林管理機能の弱さが指摘されています。

 

DENRCBFMに振り分ける予算は1ヘクタールあたり200ペソ(日本円にしておよそ400円)に満たず、地方政府LGUでは基本的に予算は付かないという問題があります。

 

PO が契約地内の森林管理を行ったり生計向上活動に投資したりする際の活動資金は基本的にはPO の自主財源によって賄うことになっており、恒常的に予算を外部から得ることができません。

結果として、多くのPO は資金不足に直面しているのです。

 

 

アキノ大統領は2011年、大統領令第26号により政府優先事業として全国緑化計画(NGP/National Greening Program)実施を打ち出しました。対象は農業省、農地改革省、環境天然資源省の3省の合同イニシアティブで特定された森林地、マングローブ及び保護地、緑化計画下にある市街地、廃鉱山など。大統領の任期が終了する2016年までに最大150万ヘクタールに植林を実施するという内容です。

 

NGP に植林の予算はついておらず、メンテナンス費用の一部のみ国家予算から賄われています。植えるだけで管理しないという問題が発生してしまうからです。

 

 

視察報告第3回は、現地パートナー団体であるハリボン協会との情報・意見交換のようすをお伝えします!

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