2015年08月12日

視察報告②「マンガタレム市の二つのコミュニティーの森林再生~着実な森林再生と成果~」

こんにちは。

フォレストーリー・プロジェクト事務局の南原です。

今回は、プロジェクトサイトの一つであるマンガタレム市の森林再生の現状を報告します。

マンガタレム市では、二つのコミュニティー(カマパカとナグマカパック)の人民組織(PO:People's Organization)と協力をして、森林再生を進めています。

MSPL(Manleluag Spring Protected Landscape)

これらのコミュニティーのPOが植林を行っている地域は、MSPLManleluag Spring Protected Landscape)という自然保護区の周辺に位置しており、保護区に生きる動植物の住処の拡大に貢献しています。

今回の調査では、まずカマパカで行っている森林再生の現状を確認しました。

マンガタレム市では、日差しが厳しく、非常に乾燥した気候なので、暑い時期には自然発火が起こってしまうと言われています。幸いカマパカの植林サイトで山火事等は起こっていませんが、近隣の森では自然発火が起こっているため、住民たちは定期的に植林サイトを訪問し、自発的にパトロールを行っています。

Kamapaka 1
kamapaka 2

多くの木が高さ約3-5m、直径1-2cm程度の大きさになっていました。これまで11 haで植林を行ってきたカマパカ。2013年度にそれらの植林・保全期間は終了を迎えましたが、2014年時点の活着率(植林した苗が枯死せずに生き残っている割合)は、住民たちのこれまでの努力の結果、83%を超えています。これは現在政府が推し進めている全国緑化計画(NGP:National Greening Program)の活着率が約50%程度であることを考えると、とても良い結果であることが分かります。訪問時は、たくさんのコオロギの鳴き声が森中に響き渡っていました。

kamapaka 3

植林サイト訪問後は、カマパカのPOであるマラボ―ボのメンバーの方々と話し合いを行いました。彼らはプロジェクトに携わるまで、木炭の生産・販売を一つの収入源としていました。現在は森林再生を進めるために、木炭の生産には倒木を使用するようになったと言います。また森林再生を通じて、草むらが少しずつ森に移り変わり、それに応じて、今まで以上に頻繁に野鳥を見ることができるようになったと言います。

kamapaka 4

またプロジェクトの大きな成果として、樹種の仕分けや育苗に関するスキルの向上がメンバーから挙げられました。現在彼らは、自分たちで森林に入り、種や実生を見つけて、自分たちの庭で育苗を行っています。これらの苗は、政府の実施するNGPで使用するために買い取られており、メンバーたちの収入源の一つになっていると言います。

次に訪問したナグマカパックは、同じ地区で7 haの植林を実施してきました。ナグマカパックの植林地の気候は、カマパカと同様ですが、過去に環境天然資源省が植林を実施した場所が一部あり、そこに育つ外来種の日陰を利用して固有種を育てていました。

nagmakapak 1
nagmakapak 2

写真は、フィリピン固有種の白ラワンで、4年間で約4mの大きさに成長していました。ナグマカパックのPOであるカタラタラーンのメンバーは将来の目標として、外来種の日陰を利用して固有種を大きく成長させ、最終的には固有種だけの森を再生することを掲げ、メンテナンスを行っていました。ナグマカパックでも活着率は、80%を超えています。

カタラタラーンとのミーティング

植林サイトの訪問後に行ったカタラタラーンのメンバーとの話し合いでは、森林保全で一番の課題は自然発火及び人為的な放火であるという意見が出ました。これまで彼らは、植林をした樹木の周辺の雑草を刈り取ることで火が燃え広がることを防止する等、創意工夫の下でメンテナンスに力を入れて来ましたが、それでも自然発火には対応できない、また故意に放火を行う住民がいるようで、今後どのように対応していくかが現在検討されています。

マンガタレム市の2つのコミュニティーではPOが積極的に森林再生・保全に従事し、実際にかなり高い活着率を実現していることが分かりましたが、その大きな要因が「コミュニティー基金」です。「コミュニティー基金」については次回報告したいと思います。

次回、「ナグマカパックのコミュニティー基金の使い方~コミュニティー・ビジネスの可能性~」について。



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