2015年09月10日

視察報告④「ミンドロ島のコミュニティー(シティオ・パルボン)の森林再生~自発的な森林保全の実施~」

これまではルソン島マンガタレム地区の森林再生の現状や、コミュニティー基金の活用状況についてご報告させて頂きました。今回は、もう一つの植林サイトであるミンドロ島のコミュニティーの森林再生の現状をご報告致します。

ミンドロ島では、2009年より西側のオキシデンタルミンドロ州のほぼ中央に位置するサブライヤン市のシティオ・パルボンというコミュニティーの人民組織(PO:People's Organization)と協力をし、7.02haの森林再生を進めてきました。

パルボンの木のサムネール画像

本植林地では、2009年に植林が行われ、2012年には過去に協賛頂いた分の植林・保全期間を無事に終えることができました。その当時の活着率(植林をした苗の内、きちんと根付いて生長しているものの割合)は約75%でした。それから3年経過した201553月時点での活着率は76.84%という高い水準を維持できているということが分かりました。一部の樹種は写真のように9m程度に生長し、順調に森林再生が進んでいることが分かります。

パルボンの森のサムネール画像

同行したハリボン協会の職員によると、雨季と乾季で若干の違いはあるもののプロジェクト開始当初は、ほとんど草原と言っていい状態であったが、プロジェクト開始後6年が経過し、植林とメンテナンスの成果が現れてきているとのことでした。この地域では、過去に近隣の先住民たちによる焼畑により5ha分が全焼してしまいましたが、住民の努力により見事に森林が再生しています。

キャッサバ1キャッサバ2

このような着実な森林再生が進んでいる背景には、住民の自発的な取組がありました。植林・保全期間終了後、住民たちは今後もメンテナンスを継続するために上の写真の植物を植林サイトの周りに植えることにしました。熱帯の国々にお詳しい方ならお分かりかもしれませんが、これはキャッサバという作物です。キャッサバは、茎を地中に挿すだけで成育する芋の仲間です。ほぼ一年中収穫することができるため、熱帯の国々では、主食とされている場合もあります。住民たちは、キャッサバの収穫を行うという目的で、定期的に植林サイトを訪れ、キャッサバを収穫した後に、植林サイト内を見回り、枯死してしまっている木があれば植え替えを行い、必要があれば下草刈り等を通じてメンテナンスを行ってきたのです。
イピルイピル

また、以前は植林サイト内外で薪の原材料となる木材を採取していましたが、現在は居住区の近くの草原にイピルイピル(写真の男性が持っているもの)と呼ばれている薪用の苗を植えることで、本プロジェクトの植林サイトに悪影響が及ばないよう対応をしていました。

パルボン・ミーティング風景

これらの自発的な取組の原動力は、住民の植林コミュニティーとしての「自信」「誇り」にあります。住民へのインタビューでは、本プロジェクトを通じ、「自分たちの力を合わせれば何かを達成することが出来る」「私たちは自然の恩恵を受けており、それを守っていく責任がある」というようにコミュニティーで協力をしながら森林再生に真摯に取り組んでいるからこそ出てくる意見も伺うことが出来ました。

DENRパンフレット

また喜ぶべきことに、彼らは本地域を代表する森林再生コミュニティーとして、日本の環境省に当たるフィリピン環境天然資源省が作成した冊子で紹介をされていました。住民たちもこのように紹介をされ、誇りに感じているということでした。

パルボンのPO

上の写真は、コミュニティー基金を活用して作ったコミュニティーハウス(Bunk House)の前で撮ったPOの方々のものです。住民たちは、今後も森林再生を積極的に推進していくことに意欲を燃やしています。ミンドロ島の心強いパートナーとして、今後も引き続き協力をし森林再生を進めて行ければと考えています。

以上、ミンドロ島シティオ・パルボンの森林再生の現状について確認をして来ました。次回は、ミンドロ島の新たな植林サイトの御報告をさせて頂きます。

次回「新植林サイトの紹介:ミンドロ島マンギャン・アランガン」について。


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